2006年11月23日

新国「白鳥の湖」2006/11/19(日)

なかなか感想が書けずに、ちょっと時間がたってしまった。悩みの種だった仕事が少し進んだので、2ヶ月ぶりくらいに気分が持ち返してきました。

ということで、新国の新演出の白鳥の感想です。美術、衣装はとってもきれいでした。演出は良くなっているところと、物足りないところなどいろいろ。

▼新国立劇場バレエ団  「白鳥の湖」
 2006/11/19 14:00開演 新国立劇場 オペラ劇場
【振付】マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ
【作曲】ピョートル・チャイコフスキー
【監修・演出】牧 阿佐美
【舞台装置・衣裳】ピーター・カザレット
【指揮】渡邊 一正
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
【配役】
 オデット/オディール: 寺島ひろみ
 ジークフリード王子: 逸見智彦
 ロートバルト: 貝川鐵夫
 王妃: 西川貴子
 道化: 八幡顕光
 王子の友人(パ・ド・トロワ): 高橋有里、さいとう美帆、江本拓
 小さい4羽の白鳥: 遠藤睦子、西山裕子、本島美和、大和雅美
 大きい4羽の白鳥: 真忠久美子、厚木三杏、川村真樹、寺島まゆみ
 スペインの踊り: 湯川麻美子、楠元郁子、
          マイレン・トレウバエフ、富川祐樹
 ナポリの踊り: 遠藤睦子、大和雅美、グリゴリー・バリノフ
 ルースカヤ: 島添亮子
 ハンガリーの踊り: 西山裕子、市川透
 2羽の白鳥: 厚木三杏、川村真樹

美術、衣装はとても品があって素敵でしたねー。1幕はブルーグレーを中心にブルー系とゴールド(茶系?)、3幕はゴールド(茶系?)にやや赤を効かせた配色で、色をかなり押さえてるせいか、地味目ではありますが、とっても品がよかったです。

衣装もセットも、たしかにいつの時代というのを感じさせない、モダンなテイストのあるものでした。

特に、衣装は何気にとっても凝ってて素敵〜。花嫁候補の白のワンピースも、デザインや素材が少しずつ違ってて、髪飾りがなんとなくその国っぽい(どれがどの国といわれるとあれですが、、、ロシアだけそれっぽいと思った)。パドトロワのドレスも素敵でした〜。

こだわったという王妃の衣装ですが、好きかといわれると好きではないけど、なるほどなーとは思いました。頭まですっぽりゴールドの布で覆って、尼っぽい雰囲気に、冠をつけるという少し変った衣装でした。

1幕・2幕、20分休憩、3幕・4幕という構成はスピーディでいいですね。白鳥の4幕って、いつも気が抜けちゃうし。

内容は、オデットが白鳥に変えられるプロローグがつくぐらいで、あとはそれほど変ってはなかったです。でも、4幕の演出はつまらなくなってました。

まずは、プロローグ。幕が開くと、オデット姫が部屋で刺繍をしていると、窓にロットバルドが現れ、オデットを白鳥に変えてしまいます。

でも、なんか、ここの演出はいまいちだったな。

まず、オデットが姫っぽくないのです。刺繍をしているらしいのだけど、繕いものしているみたいだし、髪は三つ編のお下げで、寝巻きみたいな衣装だし、、、

寺島さんがまた親しみやすい雰囲気のせいか、余計に普通の娘っぽく見えちゃう。

あと、ロットバルトが窓にあわられると、怯えながら、なぜかオデットが窓のほうに寄っていくのもやや違和感があったし(魔力で引き寄せられるのかもしれないけど)、窓の上からロットバルトの羽がオデットを包んだと思ったとたんに、早変りみたいに、窓の上に白鳥姿のオデットが立っているのは全然効果になっていないです。

1幕。それほど大きく変わった点はなかったです。最後にみんなが去ったあとに、王子が一人残って、ソロを踊るシーンが追加されてました。他の演出でも良く見かけるやつですね。

逸見さんの王子はやはりノーブルでなかなか。八幡さんの道化もよかったです。

厚木さんは、1幕では大勢の中の一人なんですが、すごく目につきました。とっても優雅で気品があって素敵ですね。

2幕。ロットバルト登場。いかにもふくろうって感じの割りと普通の衣装でした。

そして、寺島さんのオデットの登場。うーん、正直ちょっと物足りなかったです。

とっても儚げ〜な少女って感じで、それはそれでオデットらしいのかもしれないけど、やっぱ、オデットは少女ってより、姫の気高さがほしいかな。

ザハロワとかの超人オデットの見すぎかもしれないし、あと、プロローグでおさげ髪に繕いものの印象が余計に普通の娘っぽくみせてしまったのかも、、、あのプロローグ逆効果だったかも。

3幕。花嫁候補の各国の姫は、自国の踊り手を従えて登場。姫たちの踊りもなかなかよかったです。

そして各国の踊り。スペインがなかなかよかったかな。楠元さんの身体がとってもしなやか〜にしなってました。

若干振付も変わっていてようで、ナポリだったかな、後半が単調でなんかつまんなかった。各国の踊りだけでなく、他の幕の群舞などもところどころ単調になってるところがあったような気がしました。

寺島オディールの登場。こちらのほうがはっきりした視線で、可愛らしさが強い魅力になって雰囲気はよかったです。でも、踊りはちょっと弱かったかな。

32回転は失敗。前半はよかったんですが、後半バランスがとれなくなってきて、途中で止ってしまいました。音楽がかなり残っていたので、どうしようか迷ったのですかね?なんかしばらく呆然として、そのあとレベランスになったので、ちょっとしらけてしまいました。

4幕。最初のほうで、かなり長めに王子のソロがあります。ソロと言っても、あまりはっきりと踊るわけではなく、後悔しているらしい様子で、舞台上でステップを踏んでいる感じ。

正直つまらなかったので、このシーンはいらないなあと思いました。

そして、オデットの所にいき、いっしょにロットバルトと戦いますが、、、、これがまた盛り上がらない。

王子はろくに闘わないし、オデットと寄り添って、ロットバルトと対峙しているうちに、ロットバルトはなぜか自ら洞窟から湖畔に行って、そのまま死んでしまいました。(二人の愛にはかなわないと思って自殺したんですかね、、、)

インタビューで牧さんは、羽をもぎ取ったりするような古い演出でなく、もう少し現代的にロットバルトが死んだのをわかるようにすると言ってましたが、死んだ事はわかりますが、何で死んだかさっぱりわかりませんでした。

ハッピーエンドなら、王子がそれなりに闘ってくれないと、棚ぼたでめでたしめでたしみたいで、さっぱり盛り上がらないですー。

どうせなら悲劇バージョンにすればよかったのに。そのほうが合ってたかも。

全体には良い演出だったけど、最後があれだったので、ちょっと印象が弱まってしまいました。もったいなかったな。

でも、今年の初めに新国で白鳥をみて、なんか飽きたなーと思ったけど、衣装やセットを変えると、とっても新鮮で、白鳥はやっぱいいなーと思ってしまいました。単純〜。

新演出で新鮮に楽しめたというのもあるけど、白鳥はやっぱ音楽がいいなーと改めて思いました。バレエなんだけど、とっても交響曲的。

なかなか評判の悪いオケですが、迫力もあってよかったですよ(最終日だから、腕が上がった?)。バレエって音楽あってこそですねー。

20061112_shinkoku.jpg
posted by とらのお at 15:37| Comment(0) | TrackBack(1) | 公演日記2006年 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: 先月の新国立劇場の新演出の「白鳥の湖」については、色々なブログに感想記事が出ているようです。
Weblog: 北村正裕のナンセンスダイアリー
Tracked: 2006-12-03 16:36
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