2015年03月01日

モナコ公国モンテカルロ・バレエ団「LAC〜白鳥の湖」2015/2/28(土)夜

モンテカルロバレエ団の「LAC〜白鳥の湖」をみてきました。振付は結構おもしろかったし、舞台はスタイリッシュでかっこいいですが、なんか話が救われなくて、、、見終わってちょっと暗い気分になってしまいました。
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▼モナコ公国モンテカルロ・バレエ団 2015年来日公演
「LAC〜白鳥の湖」東京文化会館 18:30開演
振付:ジャン=クリストフ・マイヨー
音楽:チャイコフスキー
美術:エルネスト・ピニョン=エルネスト
衣装:フィリップ・ギヨテル
照明:ジャン=クリストフ・マイヨー、サミュエル・テリー
ドラマトゥルギー:ジャン・ルオー
構成:ベルトラン・マイヨー
【主なキャスト】
王:アルヴァロ・プリート
王妃:ミー・デン
夜の女王:モード・サボラン
王子:ステファン・ボルゴン
白鳥:アニヤ・ベーレント
黒鳥:エイプリル・バール
王子の友人(相談役):アシエル・エデソ
闇の大天使:クリスティアン・ツヴァルジャンスキー、エディス・エルグク
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結構、評判いいみたいですね、、、確かに美術はスタイリッシュで美しかったです。ダンサーもレベルも高くて、パドドゥや速い振付の群舞とかも見ごたえありました。

ただ、どうも、斬新だと評判の話の展開や構成が、どうも私にはよくわからず、残酷な最後だけが印象に残ってしまって救われない気持ちになってしまった。

まずプロローグは映像で始まります。王子がまだ子供のころ、王と王妃、王子がどうやらピクニックに来ているというような設定らしいです。王と王妃は仮面をかぶっています。仮面をかぶった関係性ってことなのかしらん。

夜の女王が自分の二人の娘をつれてやってきます。どうやら夜の女王は、娘を王子とくっつけたいらしいのですが、王子は別の少女と仲良くなってしまいます。怒った夜の女王は少女をさらってしまいます。

時は経って、王子は成人になろうとしています。王は王子にどうやら男らしくあれというような教育をしているっぽいところから第1幕が始まります。そして、舞踏会が開かれ、ここで花嫁候補らしき女性たちが登場するのですが、この役名が[欺くものたち] で、虚栄心の強い女、偽りの無関心を装う女、放埓な女たち、貪欲な女という設定です。どろどろな展開です。

たしかその後だと思いますが、夜の女王が娘のオディールを伴って登場します。夜の女王はすごく魅力的な存在に描かれてて、王様は夜の女王にひかれ不倫ぽい関係に。王と夜の女王、王子とオディールみたいな組み合わせができて、王妃は夫と息子の両方を奪われるのでは、みたいな危機感をもつようなことがプログラムに書いてありました。

このあたりで、私としては、王子のコンプレックスの話なのか、夜の女王の魅力を描いたものなのか、王妃の心理を描いたものなのか、ちょっと分からなくなってきました。(二人の母の話ってことなんですね)

オディールをみてだったか、王子は昔出会った少女のことを思い出す、というようなところで1幕2幕が終了します。(これを1幕というのか1幕2幕というのかは不明。会場では、1幕2幕−休憩−3幕4幕という案内になってましたが、NBSのキャスト表の説明だと1幕−休憩−第2幕 (転換) 第3幕、第4幕という表記ですね。)

オディールが1幕で登場するので、通常の3幕のオディールの登場する場面の音楽はこの1幕でだいぶ使われてました。

休憩後の幕あけで、王子は森を訪れます。たぶん、昔ピクニックにいったところなのかしらん。

そこで、夜の女王に捕らわれた白鳥に出会います。振付はだいぶ違いますが、出会いのストーリーにすごくあってて、ここのパドドゥはすごくよかったです。

白鳥の群舞もありますが、白鳥はちょっと攻撃的な感じです。羽はかなり少なめなんですが、手の先につけた羽やポーズですごく鳥っぽい感じがあって、動物的な獰猛さが感じられて面白かったです。

そして、場面が変わって、宮廷。王子は出会った白鳥と結婚するといいますが、そこに夜の女王が白鳥になりすましたオディールを伴って登場します。ここでは、黒い衣装ではなく、白い衣装に仮面をつけて、なりすましを表現しています。

スぺインの踊りやチャルダッシュとかの音楽も使われているのですが、花嫁候補やオディールは1幕ですでに登場してて、ディベルテイスマンの雰囲気はないので、これらの音楽は少々唐突な感じがしました。

そして、オディールを白鳥と思いこんだ王子は、彼女に愛を誓います。王子をだました夜の女王たちは、仮面を剥いで正体を明かします。

だまされたことを知った王家の人々は怒り狂います。そして、その後がびっくりで、人々がオディールを取り囲んでちょっとリンチっぽい感じになって、最後に女王が弱ったオディールを捕まえて、首を絞めるような格好で場面が転換します。こ、こわい、、、

王子は家来たちをつれて森を訪れ(ここでなんで家来伴うのかちょっと違和感)、白鳥を探します。そこに夜の女王が登場、最初は勝ち誇っているんですが、そこに、王と王妃が家来たちにオディールの亡骸を運ばせて登場します。亡骸を運ぶシーンはなんかロミジュリみたいな感じだし、なんかオディールがかわいそうになってしまいました。

夜の女王は死んだ自分の娘をみて嘆き、怒り狂って白鳥を殺してしまいます。王子は死にそうな白鳥と踊ります。ここはマノンの沼地みたいな感じでした。

白鳥が息絶え、彼女にとりすがって悲しむ王子。そして、舞台上から黒い布が回転しながらゆっくり舞い降りてきて、二人を覆い隠すという演出でした。このシーンは素晴らしく美しかったです。

ということで、踊りと美術は良かったですが、展開にちょっと引いてしまったので、ちょっと入り込めなかったです。

開演前に、マイヨーと評論家の三浦雅士さんとのプレトークがありました。最初にダンサーの技術レベルが高くなったといってたけど、確かにそれは感じました。それと、これは女性と二人の母の話で、世の中は女性がまわしているんだ的な話がありました。確かに、王妃VS夜の女王って感じですが、どちらの母もひどい母親だわ、といっては身も蓋もないか。

今回のお話は、ドラマトゥルギ(有名な小説家らしいです)がはいって、話を本格的に作ったらしいのですが、私にはちょっとその解釈の良さがよくわからなかったです。登場する大人が残酷で自己中心的で、白鳥とオディールはその犠牲になったような感じで、希望が見えないし、、、他の白鳥の湖の演出だって、ハッピーエンドでない版は救われないことには違いないのだけど、、、なにが違うのかな。


■キャスト詳細
モナコ公国モンテカルロ・バレエ団
「LAC〜白鳥の湖」2015/2/28夜
振付:ジャン=クリストフ・マイヨー
音楽:チャイコフスキー
美術:エルネスト・ピニョン=エルネスト
衣装:フィリップ・ギヨテル
照明:ジャン=クリストフ・マイヨー、サミュエル・テリー
ドラマトゥルギー:ジャン・ルオー
構成:ベルトラン・マイヨー

【キャスト】
王:アルヴァロ・プリート
王妃:ミー・デン
夜の女王:モード・サボラン
王子:ステファン・ボルゴン
白鳥:アニヤ・ベーレント
黒鳥:エイプリル・バール
王子の友人(相談役):アシエル・エデソ
闇の大天使:クリスティアン・ツヴァルジャンスキー、エディス・エルグク

[欺くものたち]
虚栄心の強い女:リイサ・ハマライネン
偽りの無関心を装う女:ノエラニ・パンタスティコ
放埓な女たち:アンハラ・バルステロス、アンヌ=ラウラ・セイラン
貪欲な女:ガエル・リウ

狩人たち:
ルーカス・スリーフット、レアルト・デュラク、コーエン・ハヴェニス、ジュリアン・ゲラン、
アレクシス・オリヴェイラ、ジョルジュ・オリヴェイラ、
ダニエレ・デルヴェッキオ、エドガル・カスティロ、ステファノ・デ・アンジェリス

その友人たち:
シヴァン・ブリツォワ、クイン・ペンドルトン、フランチェスカ・ドルチ、
アレッサンドラ・トノローニ、田島香緒理

キマイラたち(白鳥):
シヴァン・ブリツォワ、サラ・クラーク、ティファニー・パチェコ、エレーナ・マルザーノ、
フランセス・マーフィ、アレッサンドラ・トノローニ、クイン・ペンドルトン、ガエル・リウ、
リイサ・ハマライネン、アンヌ=ラウラ・セイラン、田島香緒理、ベアトリス・ウァルテ、
アンナ・ブラックウェル

宮廷:
アンヌ=ラウラ・セイラン、ガエル・リウ、アンナ・ブラックウェル、フランチェスカ・ドルチ、
フランセス・マーフィ、アンハラ・バルステロス、シヴァン・ブリツォワ、
リイサ・ハマライネン、ベアトリス・ウァルテ

ジョルジュ・オリヴェイラ、アレクシス・オリヴェイラ、ルーカス・スリーフット、
ステファノ・デ・アンジェリス、ジュリアン・ゲラン、エドガル・カスティロ、
ダニエレ・デルヴェッキオ、コーエン・ハヴェニス、レアルト・デュラク

◆上演時間◆
第1幕 18:30〜19:20
休憩 20分
第2幕 (転換) 第3幕、第4幕 19:40〜20:30

posted by とらのお at 16:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 公演日記2015年 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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